たまには熱く、モノづくり作家らしい記事を。
ここ最近、どうやら私はスランプだったようです。
製作をしながら考える次のアクセサリーデザイン。そのイメージが全く固まらず。
これだ!と思ったモノを考えついても、次の日にスケッチブックを眺めるとダメダメに見えて振り出しに…。
そんな事をここ1ヶ月、毎日のようにやっていました。
多分きっかけは来年の春に決まった、陶芸家である妻との2人展。
有り難い事に展示のお話を頂けた事。育休明けの妻と。2年ぶりの夫婦展。当然私のやる気も高まります。
そしてやって来た、『一皮むけたい欲』!春には生まれ変わった様なスゴイ作品を並べたい!
この『一皮むけたい欲』。実は1年程前から薄々気が付いていました。近づいて来るその気配に。
なぜ一皮むけたいか。
約4年前、妻に分けてもらった粘土で気軽に作った焼き物アクセサリー。
そこから焼き物という素材の魅力に引き込まれ、「こんな事が出来るかも!」「これとこれを組み合わせたら?!」そんな好奇心だけで、今まで沢山のアクセサリーを作って来ました。
そんな【焼き物×アクセサリー製作者の自分が出来る事】の化学反応。これが落ち着いてきたのかなと。
自分が試したい事を大体試し終わった今、焼き物でアクセサリーを作る自分が当たり前になった今。
『じゃあ純粋にあなたが作りたい焼き物のアクセサリーは、どんなモノなの?』
そう問いかけられているような気持ち。これが1ヶ月前のこと。
新しいブランドを立ち上げるくらいの意気込みで、新作の方向性を決めたいけれど…。
はて、自分はどんなモノが作りたいのか。全く分からない。
とにかく、"お客さまに喜んでもらえるアクセサリーは?"この1点を軸に、人気作家さん達の作品を見たり、価格帯を考えたりして新作の方向性を考え続けました。
「これだ!今度こそこれで決まりだ!」そう決めたアイデアを、デザインスケッチ片手に妻にプレゼン。
「へぇ〜。」「何でそれにしようと思ったの?」
そんな微妙な返事が返って来るだけで、ぐらりと揺れて、崩れて、自信が無くなる。
想造昆虫を作っていた時は、いくらけなされても「ふふん、この良さが分からないなんて。」という変な自信があったなぁ…と思い出す。
妻には「売れなくても良いから好きな物を作ったら?」と有り難い声を掛けられる。
どこかで聞いた、"人を感動させるには、まず自分が感動しなきゃ。"なんて言葉を思い出す。
作りたいモノは、実は前々から薄っすらと、でも確実に頭の中に在るのだけれど。本当に在るのか疑わしいくらい薄っすらで。
絵にすると違うモノになってしまう。いくらイメージを固めようとしても、バラバラになって目の前に現れてくれない。材料はあるのに上手く組み合わせられない感じ。
まだまだ色々な事を気にしている"不純物"があって、"自分が作りたいモノ"の純度が低いのか。自分らしさを見失わずに正統進化する事が、今の自分にはとても難しい…。
そんな気持ちで悶々とし続けた1ヶ月間でした。
しかし先日。知人の作家さんとその奥様にお会いする機会があり、この悩みを相談。
答えが出るような悩みでは無いのだけれど、作家あるあるなのか大いに共感して下さって。
なんだか肩の荷が降ろせたようです。その日のうちにすんなりとデザインがまとまりました。

(製作途中)
仰々しく語ってしまいましたが、作者は同じ。見る人によっては、さほど変わらないかも知れません。
それでも、自分の中では新たな第一歩。春にはガラッと生まれ変わったコレクションを並べるぞー。
大きな転機であるような気がして、思い切って記事にしてみました。
あ〜年内に悩みが解決して良かったぁ。